TECH未来活用力コンテスト8審査結果発表!

審査員総評

  • どの作品も創造性豊で、審査に携わった社員全員が1つ1つの作品を楽しく見させていただきました。普段の生活の中で見出した問題を特定し、解決策を導き出すまでの試行錯誤、作品が完成した際の喜びなど、想像しただけで私たちもわくわくしました。また、高齢者や体の不自由な方など、社会的弱者の立場に沿った作品もあり、皆さんの優しさにも心打たれました。 今すぐにでも商品化できそうな作品も多々あり、中学生のうちからこれだけの創造力・問題解決力を発揮できていることに驚くとともに、将来素晴らしい大発明をしてくれるのではないかと、楽しみにしています!(AWS InCommunities)

  • それぞれの作品が「生活をイノベーションしよう」のテーマに沿って,問題を解決するための工夫がされていました。作品を紹介する動画も丁寧につくられていました。(広島大学大学院 准教授 谷田親彦)

  • 今回も生活や社会における問題の解決を目指した素晴らしい作品ばかりでした。新型コロナウイルス感染症の影響から,消毒関係や三密を避けるための作品も多く見られましたが,感染症の広がりといった予想もしなかった状況の中で,それを嘆くのではなく,エネルギー変換や情報の技術を使って,解決しようとする意欲と,解決できる思考力等を発揮していた子供たちは本当に素晴らしいと思います。  このような子供たちを育ててくださった指導者の方々に感謝申し上げますとともに,子供たちには,今回のコンテストに参加することで身に付けた,技術によってよりよい生活や持続可能な社会を構築できる資質・能力を今後も伸ばし,発揮していただけることを期待しています。(文部科学省 初等中等教育局 視学官 上野耕史)

  • 「実際の生活の場面で、実際に使う」という観点から作品を見させていただきました。課題解決のプロセスでは、アイディアをモデル化して形にし、機能するかどうかの検討を行うことになります。しかし、「実際に使う」となると、課題も次々と生まれてきます。そのことを考えることが、よりアイデアを強くしてくれるように思います。活用力コンテストは授業で身につけた知識・技能、それに日常生活の中での「この方法がベストなの?」という気づき、そしてTECH未来のパーツ・機構を総動員するコンテストです。今回も、みなさんの持っているものがたくさんの形として現れてきたことにとてもうれしく思います。ありがとうございました。(中国学園大学 准教授 柏原寛)

  • 今年も力作ばかりで嬉しく思いました。問題解決のために考える力を育む教材であるTECH未来のコンセプトの浸透を感じることができました。授業で学ばれたであろう様々な機構を、うまく取り入れているものが多くありましたし、全体的にプレゼンテーションのための撮影や編集の技術も年々上がっているように思え、現場の先生方の丁寧なご指導も細部に感じることができました。 なかなか終焉をみせることのないコロナの問題ですが、前回に続き、そのような状況に対して、また感染症のみならず、生活や社会における様々な問題点に対して、中学生の皆さんたちが自分たちの視点から解決策を生み出そうとする等身大の姿勢を、嬉しく、そして希望に感じました。 今回はプログラミングパーツを使った作品も見られ、さらに未来に近づいたようにも思いました。ぜひ、学生の頃に考えたアイディアを大切に、これからの社会も切り拓いていただきたいと思います。((株)おもちゃ王国 代表取締役 髙谷昌宏)

  • テーマ「生活を豊かにする『しかけ』」について、問題発見~課題設定~課題解決の工夫~課題解決の実践(モデルづくり)がされているものが多く、上位の作品のほとんどがこのプロセスがなされていた。 エネルギー変換の技術で学んだ「各種の機構」「トルクとギヤ比」「電気回路」等の知識を組合せた活用力に加えて、省エネルギー(持続可能な社会を目指す)やコロナ禍の生活を豊かにする問題意識も評価した。上位の作品は評価できる要素が多くあり、ほとんど大きな差はなく審査に苦労した。 また、情報の技術を活用してプログラムを組み入れる作品が出てきていた。今回の学習指導要領では、第3学年で「統合的な問題」について扱うことが新しく示されているので、情報の技術と統合した作品にして、今後更に実用的なモデルになることを期待している。(東京学芸大こども未来研究所(教育支援フェロー)/全日本中学校技術・家庭科研究会顧問 三浦登)

  • 今回はTECH未来の機械的な機構にプログラミングを加えた作品やうまく機構を工夫して,コロナ禍でも我々の生活や社会が便利になるために工夫した作品を多く拝見することができました。動画で自分の作品のどこが優れているか,皆さんに表現することもよくできている作品が多かったです。また,生活や社会にある技術を鋭く観察し,その技術にかくれている優れた点や課題を深く分析している作品も見ることができました。これからの技術の授業では,そのような既存の技術を鋭く観察して,その技術のどこを改良すればよいか,さらに新しいものに応用したらよいかという力が求められます。また,今回出展されている作品のように,きちんと人々が使用できるように完成度の高い作品に仕上げようと試みているものがいくつもあり,自分たちのアイデアを必ず社会に実装するという思いがあふれている作品を多く拝見できました。是非,次回の活用力コンテストも楽しみにしています。(東京学芸大学大学院 教授/NPO法人東京学芸大こども未来研究所 理事長 大谷忠)
※動画は,リンクを知っている方のみの限定公開に設定しております。

グランプリ

No.1「手すりふっくん」

岩手大学教育学部附属中学校 鈴木誠矢さん,山田俊太郎さん,岸本和華さん,吉岡迪穂さん

【作品の説明】コロナ禍で,老人ホームや公共施設の手すりを清潔に保つために開発した製品モデル。電池を2個使い,並列回路にして同時に2つの仕事ができる。階段の手すりを想定して,手すりを上っていくためにトルクを9倍にして,手すりの幅にセットできるような構造にしている。拭く仕事をする部分は,リンク機構を使って効率よく拭くことができるようにしている。

審査員講評

    • 手すりを清潔にするという目的がはっきりしていて,必要な機能が適切に構成されている。 走行と拭くための回路を並列にする工夫が良かった。(谷田)
    • 幅が狭い手すりを安全に移動できるだけでなく、移動速度を踏まえてモップを動作させるなど、動力伝達機構のトルクと速度、動き方が一つの作品にうまくまとめられていました。(上野)
    • 日常的に不特定多数の人が触れる手すりは、拭き掃除だけでなく消毒、除菌も必須になってきており、掃除をする人は忙しくなっています。そのような使い手に大変便利で衛生的だと思いました。この作品には、リンク機構もうまく使われており、また、手すりの幅に合わせたガイドもついていて、端々にアイディアを感じました。手すりを自動で拭き掃除をする機械はまだ世の中にはなさそうなので、ぜひ実際に提案していただきたいと思います。今後、手すりの端にきたらセンサーで止まる、折り返す、などの機能もあると良いですね。(高谷)
    • 老人ホームや公共施設に衛生的な手すりの必要性に着眼し、装置が自動で動いて手すりを消毒する課題解決のシステムは、テーマに正対している。装置が動いて消毒するシステムは、人間に階段を昇降させないことで消毒回数を増やすことができる場面が想定できる。機構とトルクの工夫して手すりを自動で登りながら消毒作業をするモデルで、実用にむけて完成度の高さが評価できる。特に、長い手すりを消毒する場面での有効性が考えられる実用性が高いモデルである。(三浦)

 

準グランプリ

No.2「パンプッシュ」

岩手大学教育学部附属中学校 佐々木汰亮さん,藤田真太郎さん,大梶華子さん,細川莉緒さん

作品の説明:パン屋さんで,ほしいパンの前にトレイを置くと,自動でパンが押し出されてくる製品モデル。トレイの重みで沈められた台によって,歯車がかみ合い,モータの動力は,ベルトコンベアを動かす仕事と押し出し部を回転させる仕事を同時に行うように伝達されます。

審査員講評

    • 「トレイを乗せる」ことがスイッチになってコンベアと押し出す動力が始まり,連動しているアイデアが素晴らしい。このアイデアはほかにも生かすことができそう。動画ではパンが転がってしまっているので,スライドして動くように工夫をするとよかった。(谷田)
    • トレーを置くという一つの動きを、「ベルトコンベア」と「パン押し出しの羽」が動作する、2つの種類の動きに変えていく、エネルギー変換の仕組みがよく考えられているし、TECH未来の授業で学んだことをしっかりと自分のものにされているなと思いました。パンが押されるシーンは、動きがコミカルで独特なユーモアもあり、「客として使ってみたい」と思わせる魅力もありました。実際この機能がお店にあれば楽しくてたくさんパンを買ってしまいそうです。 感染症が広まっている昨今の社会の中で、「接触をしなくても商品をとることができる」という機能的な仕組みを考えた意義もあり、バランスの良い作品だと感じました。(高谷)
    • コロナ禍、パン屋でトングを使うことに衛生面の問題に着目し、機構を工夫してトレイの自重で動作するシステムが課題解決となり、自動化ロボットとしてテーマに正対している。 ベルトコンベアーとパンをトレイに載せる機構も動作手順の自動化工夫も実用化モデルとして評価できる。(三浦)

 

AWS特別賞

No.3「靴磨き機」

三鷹市立第三中学校 相蘇遙太さん,澤田元希さん

作品の説明:クランク機構で靴を前後に動かします。 ブラシが3方向から動き、靴を磨きます。ブラシの回転する部分は赤→黄→赤→黄でつなぎ、トルクを挙げています。ギヤを横までつなげ、1つのモータですべてのブラシを動かしています。 micro:bitを使用し、動かない間はランプが緑色、動いている間は黄色、5秒経つと赤色に変わるプログラミングをしています。

審査員講評

  • まさに生活の質を向上させる革新的で賢いソリューション。機械はうまく設計されており、機械的制御と電子インジケータの優れた組み合わせを備えていて、非常によく考えられたメカニズムであると感じました。特に、毎週上履きを掃除しなければならないご家庭にとっては、救世主のようなアイテム!社員からも、欲しい!という声も多数ありました。(AWSInCommunities)

 

 〜その他の審査員からもご講評がありました!〜
    • 靴を磨く機能に対して、ランプで状態を表示するプログラミングを入れているところが「ユーザー目線」でとても良いなと感心しました。物をデザインする際には、機能はもちろん大事なのですが、認識のしやすさ、使いやすさがとても大切です。「いつまで磨き続けるのか」といった、ユーザーの困り感に対して、ある程度検証された時間をプログラミングすることで、機械に任せることができます。今後の課題としては、汚れの具合によって時間が変わる、回転強さが変わるといったことも考えられるかもしれません。今回の作品で、「状態を表示してユーザーにわかりやすく伝える」という新しい分野を切り拓いてくれたように感じます。(柏原)
    • 靴磨きがしっかりできるように,TECH未来の機構をうまく使用して,きれいに靴の表面が磨けるように工夫をしています。さらに,製品として,靴を出し入れしても安全かどうかをLEDランプを使って表示できるようプログラミングを利用しています。とても靴磨き機として完成度の高い作品です。(大谷)

 

〜その他評価が高かった作品のご紹介〜

No.4「ディ・レール」

世田谷学園中学校・高等学校 押切柊成さん,上田匠人さん,尾本開さん,鴨井力輝さん

作品の説明:詳細は添付動画を参照してください。

審査員講評

    • 今までのTECH未来を利用した作品にはない作者の思いのつまった作品ですね。技術の授業では,生活や社会で役に立つ作品を設計する活動を行いますが,新しい技術の授業ではその前に身のまわりにある技術をよく分析する活動が新しく取り入れられました。この作品は,そのような身のまわりにある技術をよく分析した作品です。とてもよく分析しており,どんな新しい技術を生み出したらよいか深く分析している点がとても優れています。是非,次回はこの分析を通して,もっと新しい製品を生み出すところまでチャレンジしてみて下さい。(大谷)

 

No5.「bubble」

東京学芸大学附属国際中等教育学校 永井玉青さん,平野早希さん

作品の説明:動画をご覧ください。

審査員講評

    • 日常の中にある「これ他の方法ないかな?」という気づきがとてもよく表現されていたように思います。既にあるアイデアが形となった道具をもとに、よく動きを観察してTECH未来の機構を組み込めた作品でした。モデルにとどまらず、実際に使うことができることが素晴らしいですね。この作品が家族の生活を快適にしてくれる可能性を感じました。「撹拌(かくはん)」ということで考えると、回転式のものを思い浮かべますが、今回の作品が新しい撹拌の可能性を切り拓いたと言うこともできると思います。(柏原)
    • 実際に洗顔料を泡立てられているのがすばらしい。洗顔料の入れ物がガタつかないような工夫をするとよかった。(谷田)

 

No.6「スタンプ機」

東京学芸大学附属国際中等教育学校 原田真詩侶さん,藤原美沙希さん

作品の説明:動画をご覧ください。

審査員講評

    • ウオームギヤなどを使って「スタンプを左右に移動させる機構」,「押されるプリントを自動的に排出する機構」を上手に作り上げていました。さらに,この二つの機構をコンピュータを使って連動させることで,スタンプを押すという仕事の負担をより一層軽減することを目指すなど完成度の高いシステムとなっていました。(上野)

 

No.7「エコ扇風機」

東京学芸大学附属国際中等教育学校 荻原明日香さん,田村遼花さん

作品の説明:詳細は添付動画を参照してください。

審査員講評

    • 扇風機が動くことで、広いスペースでの利用につながり、エコシステムにつながりテーマに正対している。また、窓を開けて使用すると換気の促進をはかり「コロナ対策の環境づくり」の役割も担える。 電池の一元化などの工夫に加えて、スイッチを入れると自動化運転(センサーやプログラム化)するなどロボット化に進展するモデルになっている。(三浦)

 

No.8「T.W.C 2.0」

東京学芸大学附属国際中等教育学校 芳賀創太さん,橋本優雅さん

作品の説明:詳細は添付動画を参照してください。

審査員講評

    • 「センサーを使って落下を防ぐ」というアイデアにとても感心しました。授業での知識を活用して生活の中のシステムにうまく組み込めていますね。今回の作品ではハンディクリーナーが乗っていますが、他にも様々なものが様々な形で利用できそうな可能性を感じました。車体部分の操舵システムは難しいところかもしれません。そうなると、クリーナーの吸込口の幅が全てになります。今後の課題として、実用性を考えると、クリーナーの幅を広くすることや、クリーナーを回転させることなど、「机の上をきれいにする」という課題を解決する検討が必要かもしれません。今回の作品をもとに、「課題の解決」という視点をより深めてもらえたらと願ってます。(柏原)

 

No.9「MAKKY」

岩手大学教育学部附属中学校 赤坂祐生さん,佐々木彪斗さん,久保穂乃佳さん,佐々木子栞さん

作品の説明:かさ歯車,平歯車,輪ゴム,プーリーを使って,動力伝達をしている。プーリーの大きさを変えることで,動作の速度を変えることができる。回転軸に磁石が付いており,カーテンの取り外しが簡単にできる。

審査員講評

    • コロナ禍の中で,本当に買い物とかでビニールのシートを見かけることが多くなりましたね。ちゃんと買ったものを手渡しできるように,磁石を使ったカーテンシートの取り付けやTECH未来で学習した回転数と回転速度の関係をうまく機構に利用しています。とても製品としての完成度が高く,しっかりと最後まで完成させ,社会に実装したい,利用したいと思う作者の思いが現れているよい作品です。(大谷)

 

No.10「釣り銭太郎

岩手大学教育学部附属中学校 関啓佑さん,鈴木亮太さん,宮本ひなたさん,西郷世娃さん

作品の説明:硬貨の受け渡しを非接触で行うための製品モデル。アルミのシールを使って,TECH未来のケーブルの端子と接触すると電流が流れるようにスイッチを工夫している。財布を置くだけで硬貨が落ちてくるような仕組みになっている。

審査員講評

    • まず、ネーミングが駄菓子やおもちゃのようで親しみを持ちました。最近はレジで物を買っても、精算は横の機械で非接触で、ということが増えましたが、寂しい印象もあります。また、トレーを使っての受け渡しも、小銭が多いほどとりにくいので、財布に直接入れてくれる仕組みはとても面白いと思いました。電極をアルミ箔で繋ぎ、財布を押し付ける動きをもとに電流を流す、というエネルギー変換の仕組みはよく考えられていて他の作品にはなく、興味深いと思いました。 応用すれば、小物やお菓子を袋詰めする装置にもなり、使う人に対しても、娯楽的な側面がありそうで、楽しく笑顔で買い物できそうだ、とこちらの想像力を刺激してくれました。小銭の受け渡しを想定されているので、プレゼン映像では、お客と店員の二人を登場させ、本当の小銭で実験している様子も撮影すると、なお分かりやすかったかもしれませんね。(高谷)

 

投稿者: TECH未来事務局