審査員総評
- 今年も非常に多様な角度から生活の中の「困った」を見つけ、このようなものがあったら便利だなという夢のあるアイディアが沢山出てきていました。こうした生活や社会をよりよくしていくものを発見し、創造するという過程がまず素晴らしいですし、実際に使ってみたいとも思いました。(アマゾンデータサービスジャパン合同会社)
- それぞれが生活や社会における技術的な問題を発見し、生徒さんならではの斬新な視点から課題を設定していることが分かりました。「Cエネルギー変換の技術」の学習で学んだ事柄をTECH未来のパーツを使って問題解決に活用している様子が動画から確認できました。作品の紹介の動画も様々な個性がありよく工夫されています。(広島大学大学院 准教授 谷田親彦)
- まず、賞をとられた皆様、おめでとうございます。皆さんの作品、本当に感動しました。また、残念ながら受賞されなかった皆さまにも、何か賞を贈りたい気持ちでいっぱいです。今回はとてもレベルが高く、順位をつけることにとても困りました。そして、そのようなレベルの高い作品がたくさんあったことをうれしく思います。ぜひ、この大会に参加した全ての方々に、引き続き技術で問題を解決したり、そのことをどのような仕組みで実現しようか考えたりすることを続けていってほしいと願っています。(文部科学省 教科調査官 渡邊茂一)
- 第12回目をむかえ、スタンダード部門88作品、アドバンス部門47作品と過去最多の応募があった実績に拍手です。生活や社会の中から問題を発見して「技術」で問題解決をする学びが定着してきたことを実感しています。
スタンダード部門は、エネルギー変換の技術を活用した問題解決に向け、「動き」に着目して「機構」を工夫しています。特に、異なる動き(回転運動と往復運動,横運動と往復運動など)を組み合わせて課題解決をしている作品を散見しました。多くの試行錯誤をすることで、「考える力」と「評価する力」が育ったと感じました。
アドバンス部門は、統合的な問題解決なので、何を「自動化」すると生活や社会の問題が解決できるかを課題設定して工夫がなされていました。特に、少子高齢化や弱者が抱える問題、災害などへの支援をテーマにするなど、現代的な課題に目を向けていることに拍手を送ります。
気になった点として、「作品の説明と動画」を見ている中で、作品の問題解決場面は視聴者に伝わるのですが、何をどのように工夫をしているのか?問題解決をしている根拠(理由)となる工夫や説明を分りやすくして欲しかった作品がありました。統合的な問題解決なので、次回はその点も工夫や改善をお願いします。(全日本中学校技術・家庭科研究会 顧問/東京学芸大こども未来研究所(教育支援フェロー)三浦 登)
- 今年は、昨年と比べて61件も作品数が増え、学校数も4校参加校が増えたとお聞きし、さらにこの夏にはTECH未来教材の実践事例集も刊行されるということで、この教材の広がりを大変感慨深く感じております。そして、今年の作品は、リンク機構やクランク機構を使っている作品が多い印象を受け、中学生のみなさんが、TECH未来教材を通じて、仕組みの理解を深めて下さっていることを強く感じました。
今年の作品は、プレゼンテーション動画のまとめ方の質も向上しており、AIナレーションやフリー画像などを駆使し、「自分のやりたかったことをアピールする力」も感じました。
前回から2部門にわかれた応募方法でしたが、アドバンスド部門もさることながら、スタンダード部門の作品の質もより向上してきているのではないかと感じました。
これもひとえに、現場の先生方の、日々の丁寧なご指導や、中学生の皆さんの試行錯誤の努力によるところと思います。
TECH未来教材は、厳選されているパーツですが、同じメーカーで互換性のあるパーツはまだまだたくさん存在していますので、中学生の皆さんや先生方から「こんなパーツはないのかな?あったらいいのにな!」というお声があれば、ぜひ、ご意見をお聞きしたいと思います。
これからも試行錯誤しながら、お互いに、よりよい未来を作って参りましょう。((株)おもちゃ王国 代表取締役 髙谷昌宏)
- 今年もたくさんの活用力コンテストへの応募をありがとうございました。皆さん,TECH未来のパーツを使って,いろいろな作品を構想したり,作ったりしている時はどうでしたか?ドキドキ,ワクワクしましたか?今年は過去最多のご応募を頂きました。今回の入選した作品も,TECH未来の部品をうまく利用して,しっかりと問題を解決できる機構を構想,製作していました。このような力は,今,日本のこどもたちの学びに特に欠けている新たな価値を創り出すために具体化する力であり,自分の頭の中で考えたイメージを人々が見えるように「形にする力」です。このような力はプロトタイピングの力と呼ばれています。是非,技術分野の学びで獲得するプロトタイピングの力(実践を通して具体的な形にする力)をこれからも発揮して下さい。(東京学芸大学大学院 教授/NPO法人東京学芸大こども未来研究所 理事長 大谷忠)
<スタンダード部門>
グランプリ
No.1「簡単に運べレール」
大阪府 大阪市立東我孫子中学校 グループ名:2年4組3班
【製品モデルの説明】
家の中での問題解決として,何とか自分たちのお手伝いを減らせないかと考え,「簡単に運べレール」を開発しました。ご飯のときにいつも食器をテーブルに持って行ったり,食べ終わったらキッチンに運ばなければなりません。キッチンからテーブルをつなぐカウンターに「簡単に運べレール」を設置することで,その手間を省き,僕たちのお手伝い問題を解決してくれます。
この製品は,回転寿司を食べに行ったときに見た回転していない高速レーンをヒントにして製作しました。トレイの移動には,レールとしてロングフレームを使い,機構にはラックとピニオンを使いました。モータからの回転を伝えるためには,ベルトとプーリを使いました。歯車をたくさんつなぐ方法も試しましたが,うまく位置が合わなかったため,ベルトとプーリにしました。もっと高速にしたかったのですが,このスピードで限界でした。ベルトはゆるすぎてもきつすぎてもうまく回転が伝わらないので苦労しました。また,モータの回転の向きを変える方法は,先生に教えてもらいました。トレーが進んでいって,スイッチを切り替えるとちゃんと帰ってきたときは感動しました。
審査員講評
- ラックとピニオン,ベルトとプーリを使ってトレイが滑らかに運ばれています。スイッチを切り替えると戻ってくる回路がよく工夫されています。食器を運ぶ機能だけでなく生活や社会の様々な問題に応用できそうです。(谷田)
- 大きな機構を安定して動かせるようにする、という職人技のような作品に感激しました。静かな動画でしたが、何か熱気のようなものが伝わってきました。素晴らしかったです!(渡邊)
- 家庭のお手伝い(配膳)から着想したテーマがよい。ラックやピニオン、を駆使し、歯車とのかみ合わせだけでベルトコンベアのような装置を作れており、実際の大きさのお皿のサイズでものを載せて実行しているところがよい。モーターは二つだけだが、プーリー、ゴムなどの活用で、回転の力をつなげ、他のギアにもモータの動力を伝え、動かす距離を長くつなげているところが、よく考えられている。スイッチを切り替えることでモータの回転の向きを変えるという仕組みも作れている。この仕組みを考えたことで、別のことにも応用ができそうに思えた。(なにかのサービス業のシーンなどで。)(高谷)
- プログラミングによるモータの向きの制御ではなく,回路を考えてスイッチの切り替えだけで戻ってくるしくみがつくられていました。工夫が詰め込まれた大変素晴らしい作品です。(大谷)
準グランプリ
No.2「やさむき」
広島県 広島大学附属福山中学校 グループ名:2B5班
【製品モデルの説明】
忙しい主婦の方の、「野菜を剥く手間を省き、料理時間を短縮したい」というニーズに答えるために、自動で皮を剥く機械を考えた。具体的には、往復スライダクランク機構を利用してピーラーを上下に動かし、歯車の回転と軸を用いて野菜が回転するようにした。ピーラーと野菜の位置の調整が難しく、苦労した。また、原動車よりも従動車の歯車を小さくすることで回転速度を速くするように工夫した。
審査員講評
- この装置は、生活の中での問題発見から課題を設定しているが、業務用のシステムモデルにも応用できる。ワンモーターで2つの異なる動作を機構を工夫して課題解決がなされているセッティングしたら自動で皮むきを終えて、自動で停止するなど更なる改良・応用の可能性が多い点も魅力である。(三浦)
- モーターの回転運動から、上下に動く往復スライダクランク機構の運動に変換しているところがよい。(野菜を回転させるというだけでなく、ピーラーも動かしている。力強い動作になっているところが良い。トマトの皮はピーラーで剥かないことと、実際に様々な形状の野菜の皮むきの動きができるかは別の視点から検証を続けていってほしい。(高谷)
<アドバンスド部門>
グランプリ
No.3「Dose Time (ドーズタイム)」
東京都 グループ名:おくすりの妖精たち
【製品モデルの説明】
〈どんな問題を解決しているか〉
私たちは,授業の中で,「大量の薬が処方されたとき,ただでさえ病気をしているのに,「お昼はこれとこれを飲んで,夜はこれを飲んで…」と毎回考えるのが大変。また,薬の飲み忘れをしてしまうことがある。」という問題を発見しました。こうした問題を解決するために,どうした楽に,指定された時間に薬を確実に飲めるか(正確さ・利便性)を追求して,「時間になったら事前にセットしておいた薬を使用者に促す機械を製作する」という課題を設定し,問題解決に取り組みました。
〈どのような「しかけ」が施された作品か〉
この課題を解決するための解決策として,次のような技術のしくみの活用のアイディアを考えました。
1)時間になったら薬を出してくれるしくみ
micro:bitでは時間を設定するブロックなどはないため,変数や定義などのブロックを活用して,月,日,時,分を設定する機能を考えました。このしくみを考えるにあたっては,栽培場所の温度や光に関する情報を日時とともに記録するプログラムがあったので,そのしくみを応用して,決まった時間に薬を出すしくみを考えました【技術のしくみの応用のアイディア】。また,もともとのプログラムは栽培用に作られていることや,使用する上での使いづらさがあったので,もともとのしくみを改良して,次のようなしくみにしました。
●制作したプログラムは0〜2の3つの「状態」で構成される
●初期設定時の操作(状態0,1)
>状態0
・Aボタンを押すと「月」を設定できる。(12の次は1になる)
・Bボタンを押すと「日」を設定できる。(31の次は1になる)
・AとBボタンを両方押すと,状態1に移る。
>状態1
・Aボタンを押すと「時」を設定できる。(23の次は0になる)
・Bボタンを押すと「分」を設定できる。(59の次は0になる)
・AとBボタンを両方押すと,状態2に移る。
●薬を出してくれる機能に関する操作(状態2) ※主要部分のみ
・Aボタンを押すと薬のストック数(残り何個あるか)を表示してくれる。
・Bボタンを押すと薬のストック数を「+1」していき調整できる。(7の次は0になる ※機構部分の薬の最大ストック数は7にしているため)
・AとBボタンを両方押すと,現在の日付と時間を表示する。
・ロゴを長くタップすると,薬を補充するための操作が行われる。ボックスに入っているもう一台のコントロールボックスのモータが動き,ストックを「+1」してくれる。
・ロゴを短くタップすると,遠隔操作でも薬を出すことができる。ボックスに入っているもう一台のコントロールボックスのモータが動き薬を出すとともに,ストックを「-1」してくれる。
・状態2になると,状態0,1で設定した現在の時間が1分間隔でリアルタイムで変化していく。プログラム上で設定した薬を出す時間になったら,モータが回転して薬を自動で出してくれる。また,ストックを「-1」してくれる。
2)利便性を追求して利用者が使用しやすいように音で知らせるしくみ
各ボタン操作や,設定した時間になったときなど,利用者が操作したことや時間になったことを認識しやすいように(利便性を追求して),音で知らせてくれるしくみにしました。なお,それぞれの音は意味によって変えており,利用者がどのような操作をしたのかがわかりやすいようにしました【技術のしくみの改良のアイディア】。
3)2台のコントロールボックスを連動させるしくみ
一般家庭の利用者だけでなく,介護施設で働く人が施設利用者向けにも利用できるようにするために,遠隔操作を行えるように,2台のコントロールボックスを連動させるIoTのしくみ(システム化のしくみ)を考えました。また,薬がなくなったら補充できるように,維持や管理もできるしくみも考えました【技術のしくみの管理・運用のアイディア】。
このようにして,「時間になったら事前にセットしておいた薬を使用者に促す機械」をつくることができました。
〈工夫点や試行錯誤した点〉
この問題を解決するために製作した薬を時間になったら出す機械,「DoseTime(ドーズタイム)」の製作にあたって大変だった事,試行錯誤した点,施されたしかけについて,説明します。
この作品は,主にダンボールを使っていて材質が不安定なのでかなり加工が難しく,大変でした。切ったり穴を開けたりするのに,少しでもずれたら動かないし,かなりの試行錯誤を積み重ねました。3Dプリンタが学校にあれば使いたかったぐらいでした。
プログラムの作成に関しても,頭が痛くなるほど複雑で大変でしたが,完成に近づくほど,楽しくなっていきました。効果音に関しても力を入れました。音をならべただけに見えますが,受信機と送信機の起動音がハモるようにしていたり,利便性を高めるために音に関してもかなりこだわりました。
また,実際に薬を飲むシーンも考えてこんな機能あったら良いな,楽だな,と想像力を働かせてみました。その中でも実装出来たのが,「外出先でも薬飲みたい時って絶対あるよね。」です。DoseTimeでは,ロゴ短タップで次回分の薬ストックが出てきます。これでお出かけの際にピッと押して出てきた薬をピルケースに入れれば,お出かけ先で飲む事が出来ます。
ダンボールで製作しているので,動作の確実性を高めるために3Dプリンタ等の材料と加工の技術を活用することも考えておりますが,現段階で製作できているDoseTimeが病気している方の支えになるはず と思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
審査員講評
- 多種大量の投薬の視点は、高齢化社会での問題に着目し介護の場面も想定した問題解決の作品になっている。 服薬の管理(飲み忘れや誤飲など)は、高齢者にとって大きな負担となり、介護者が必要になっている。 介護者が服薬管理の設定をして、その場にいない時でも高齢者が確実に服薬できるシステムは、少子高齢化の問題解決にもつながっている。製作者が指摘しているように、このシステムは3Dプリンターなどを使うことで、より現実的な製品に近づく。実用品にするために、更なる改良や応用が期待できる。(三浦)
- みなしや、目的を実現する機能の一部の開発が多い作品の中で、問題を解決するために必要な機能を過不足なく兼ね備えている大変レベルの高い作品であったと思います。また、プログラム、機構の構想、部品の形状の工夫といったように技術の学習が詰まった作品でした。感服いたしました。(渡邊)
-
薬の飲み忘れ、数量間違いの防止、というテーマがよい。(社会をよく観察している)micro:bit単体で、日付などの操作ができるようにしているところが優れている。micro:bitを二つ使用して、相互に通信できるようなプログラムを作れているのがよい。「頭がいたくなるくらい」がんばったという、一つ一つ丁寧に積み上げていることを感じ取られた。通信をうけたmicro:bitが薬を出してくれるような装置をオリジナルで作っており、中心軸を動かす動力としてモータをうまく活用しているところがよい。Gigoのパーツをもっと紹介したいと感じたし、もう少し詳しいプログラムの説明が動画の中でわかりやすくあると良いと感じた。(高谷)
- 実生活の問題を解決するアイデアとして素晴らしい作品だと思いました。micro:bit同士の通信を活用しており,非常に精度の高い作品であり,問題を解決したいという思いが詰まった素晴らしい作品です。(大谷)
準グランプリ
No.4「ウォーターサーバー」
帯広市立南町中学校 グループ名:3年4組7班
【製品モデルの説明】
自動でコップに水を注ぎ押し出してくれる装置、サーボモーターの動作タイミング等の調整を行った
審査員講評
- 一定量の水を注いだ後にコップを押し出す心遣いが良かったです。飲料水を想定した作品ですが,生活や社会の様々な問題に応用することができると思いました。(谷田)
- この作品の工夫点は、簡単な構造と自動で「適量」の水を提供できるシステムです。特に、小さな子どもや高齢者・病気で体が思うように動かせない方々にとって有効な機器になるのではと感じました。コップを押し出す装置で、「どうぞ」と使用者に分かりやすい工夫がなされ、完成度の高いシステムです。(三浦)
- 一定量の水が注がれた後に,コップを前に出すところまで制御がなされており,TECH未来以外のパーツも使いながら精度が高く設計,完成されているところが評価できます。(大谷)
AWS特別賞
No.5「ペッカンコカンカン」
東京都 新 楓さん、齋藤 結さん
【製品モデルの説明】
ペットボトルと缶を自動で分別する装置。軽いペットボトルを運ぶためのベルトコンベア部分の設計を頑張った。赤外線センサに反応してペットボトルを押し出すところの調整がとても難しく、試行錯誤した。
審査員講評
- シンプルな仕組みですがごみの分別という問題を的確に解決していると思いました。いろいろな高さのペットボトルや缶に対応して分別できるように進化させていくことができると思います。(谷田)
- ペッカンコカンカンは非常に実用的で、正にすぐに使いたくなる機能でした。例えばイベントなど大量の缶やペットボトルが出る際には、人の手を介さなくても自動で振り分けてくれる、とても便利なものだと思いました。(AWS)
〜その他評価が高かった作品のご紹介〜
No.6「宿題強制装置」
北海道 帯広市立大空学園義務教育学校 グループ名:大空学園 8B 6班
【製品モデルの説明】
家に帰っても宿題をやらない、忘れてしまう生徒が多いので、何とか宿題を忘れずに出来るための装置が出来ないかと考え、開発しました。カバンの中にこの装置を入れて、宿題のプリントを挟んでおくと、家でカバンを開けたときに自動でプリントが射出されて、「あ、これ宿題だった」と思い出すことができ、忘れることを防ぐことができます。アルミホイルでスイッチを作り、カバンの蓋に取り付け、そのスイッチが触れることで動作を開始する機能を考えました。また、プリントを挟む部分に輪ゴムでテンションをかけてあげることで、プリントの厚みがどのようなものでもせり上がってくるように工夫しました。
審査員講評
- アイデアが最高です!どのように宿題をすることについて知らせるのかと思ったら、まさかと実際に宿題が飛び出してくるとは!飛び出させるための仕組みや、スイッチの工夫もキラリと光るポイントです。ものづくりの面白さを再確認させてくれた作品でした。(渡邊)
- ヒューマンエラーに着目し、紙が滑り出てくる機構と自動化の仕組みに工夫がみられた作品です。かばんを開けると自動で宿題のペーパーが射出されるシステムは、社会における自動化によりヒューマンエラーを技術で改善する視点になっている魅力がある。(三浦)
No.7「ケシケシくん」
北海道 帯広市立大空学園義務教育学校 グループ名:大空学園8A1班
【製品モデルの説明】
黒板を消す際に、自分にチョークの粉がかかったりするのを防ぎ、自動で黒板を消すことができたら便利だということを考え、製作しました。リンク機構で黒板消しを左右に動かして消すことができる部分と、車輪を3Dプリンタで自作して車輪の速度を調節したところがポイントです。リンク機構をスムーズに動かすのが難しく、長時間動かすと止まってしまったりなどがありましたが、試行錯誤を重ねてこのような形になりました。
審査員講評
- 完成度の高さにびっくりです!黒板消しで実際に消すことができる、まっすぐ進むことができる、という仕組みの実現には苦労したのではないでしょうか。とても素晴らしい作品でした。(渡邊)
- チョークの粉が人に掛からない衛生面に着目し、課題解決に向けて垂直面の清掃動作と場所を移動する動きを併用するための工夫がなされている。また、必要な形状の部品を3Dプリンターで製作することも、これからのものづくりの視点を捉えている。(三浦)
No.8「望月」
広島県 広島大学附属福山中学校 グループ名:2B8班
【製品モデルの説明】
若い世代の人など餅つきをしたことがない人・最近餅つきをしていない人などに「日本の伝統文化としての餅つき」を身近に感じてもらうために作った。杵の部分はてこクランク機構の揺動運動を採用し、合いの手の部分はモーターからチェーンとスプロケットを使用し動力を伝達している。構造が単純であり、「餅つき」における2つの仕事が同時にこなせるように工夫した。一番の工夫点はモーターから合いの手の部分まで動力を簡単にかつ確実に伝達するようにした点で、様々な機構を試してみたりと試行錯誤した。
審査員講評
- 杵と合いの手のリズムが良く餅つきをしている様子がよくわかりました。一つの動力で動かしているシンプルな機構ですがよく工夫されていると感じました。実際の製品にも応用できそうです。(谷田)
-
モータの回転運動を餅つきをするようなてこクランク機構の動きに変換しているところがよく考えられている。また、スプロケットを使うことで、1つのモーターで、餅つきの動きと、返し手の動きの二つの動きに変換することを実現しているのがよい。見せ方と動画の構成がわかりやすい(自分たちが行っていることを客観視しており、ユーモアをもってまとめあげている。)実際におもちがつけるのか、合いの手としての活用ができるのかは、検証を続けて欲しい。(高谷)
No.9「デスククリーナー」
群馬県 安中市立松井田中学校 グループ名:松井田中Aチーム
【製品モデルの説明】
ファミレスなどの店員さんの人手不足によって店員さん一人ひとりの負担が大きくなり、料理を提供したり、片付けをするなど多くの仕事を1人が行わなくてはならなくなる問題があります。
少しでも店員さんの負担を減らすため、お客様が帰った後の机を拭く手間を減らしてくれる自動で机を拭いてくれる機械を作りました。
机の上の広い範囲を自動で拭いてもらうため、車で机の上を走れるようにして、リンク機構を車の部分につけ、リンク機構の動きを活かして、左右にふきん(雑巾など)を動かして机を拭けるようにしました。
審査員講評
- 左右にふきんを動かしながら前進することで机がきれいになる様子が動画で分かりました。前進するスピードとふきんが動くリズムが良く調整されており,人間の手の動きが再現されているようでした。(谷田)
No.10「灯歩柱(とうほちゅう)」
島根県 島根大学教育学部附属義務教育学校 グループ名: 9年2組B班
【製品モデルの説明】
夜道で暗くて困っている人に、暗くても困らないようにすることに役立ち、生活時に暗くて怖がらなくて済む。また暗いところを狙う人(防犯効果)やそれに伴った事故の減少にも役立つのではないか。普通の街灯とは、人が来た際に動くというところが違うが、それに関しては、遊園地とか、面白さも持って、設置するといいのではないかと考える。1.自分たちは、去年初めてテック未来のものを使ってそこでギアシステムだったり、プログラミングの技術を高めていきました。今回の作品には、リンク機構とプログラミングを使用して、作品を作り上げました。普通の街灯は普通に立っていて、中には明るさを感知するものもあると思います。僕達はそれに加えて、人を追いかける仕組みを作りました。赤外線センサを使って、ものとの距離をはかることができ、それに応じて、電気のついた部分がついていくという仕掛けになります。この仕組みにしたことで、人の歩く速さにも、大体は反応できると思います。テック未来なので、反応できてなかった部分も少々ありましたが、この仕組みを使えば、世の中、よりよくなるのではないだろうか。
2.街灯が動くことによって、街灯の設置数も減らすことができると考える。普通の暗い道に置くこともできるであろうし、それならば、街灯と街灯の間の少し暗い部分が気になってしまう人にもいいのではないだろうか。防犯の対策にもなると考える。また、テーマパークなどにこの街灯を設置しても良いと考えた。面白みもあって多くの人を照らすことができるからだ。
3既製品との違いは、先程も書いた通り、赤外線センサによる人の感知で、街灯が動くという仕組みである。また、ある一定の暗さになってから明かりがつくという仕組みも作った。
4.高齢者から元気な子どもまで多くの世代の人に使ってもらうことができると考えている。
動く速さも調節されることに加え、やはり従来のものよりも、防犯という面では大きいのではないだろうか。
審査員講評
手に追従する、という機能の実現は本当にびっくりしました。その実現にため、プログラムや仕組みを試行錯誤することにとても苦労したのではないでしょうか。そのことが、動画における動作の様子からとても伝わってきた作品でした。(渡邊)
今年度もたくさんのエントリー,誠にありがとうございました!
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